
<2020年:薬剤耐性問題への投資家行動元年>
各国の若者を中心に起きていた気候変動に対する運動、Extinction Rebellionと同等な動きが薬剤耐性(Anti-microbial Resistance – AMR)課題においても必要だ。昨年、当時イングランドの最高医療責任者だったSally Davies氏は、政府関係者としては異例な呼びかけを行った。
Davies氏は現在、英国におけるAMR特使に任命されており、2020年をAMRに関する投資家行動元年として、活動を立ち上げた。
欧州委員会では、このAMR課題によるヘルスケア業界への負担は15億米国ドル相当と概算している。また、世銀は2016年時点で既に2008年の金融危機よりも大きな経済的ダメージを与え得る課題として、2050年までに世界のGDPの3.8%をも減少させるものと概算している。
こうした状況にDavies氏と同様の危機感を持った団体や投資家による活動が、少しずつだが活発化している。
途上国での公平な製薬へのアクセスを促すことで知られるAccess to Medicine財団は、今年初めて製薬会社におけるAMRベンチマークの実施とレポートの発行を行っている。
また、兼ねてより畜産業での集約型農業がもたらすリスクに投資家と共に警鐘を鳴らしてきたFAIRRは、昨年9月にColler-FAIRR Indexを公表している。
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