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投資家も注視する「栄養」、食品会社に改善促す

Leaving no-one behind – corporate and investor action for improved nutrition

新型コロナウィルスの蔓延への不安を受けて、人々の生活様式に多くの変化をもたらした。私たちの食生活もその一つだ。日本においても家で過ごす時間が増えたため、また免疫力を上げたいという思いから、自らの食生活のあり方を見直す機会となった人もいるだろう。

しかし、自炊をしている場合においても、出来合いの調味料、ソースや具材を利用することもあるかもしれない。たまにはチェーン店でのテイクアウトやイートインを利用することもあるだろう。

栄養の過剰摂取と栄養不足。これらの「栄養不良」の両側面はどの国にも存在し、それによって肥満や過体重に悩まされる人も、不可欠なビタミンやミネラル不足になっている人も、それぞれ20億人以上存在すると推計されている。

この栄養の不均衡な摂取は、私たちの日々の生活に、仕事に、決して無関係なことではない。

特に会社の経営者として、そして食品関連会社に投資する立場として、「栄養」に着目するメリットがあるのかについて、寄稿いたしましたので、続きは↓でご覧下さい。

SDGsと描く社会:地球のことは自分ゴト!

そんなタイトルでシリーズを組んでいる、
ELLE JAPON の4月号の取材に招いて頂きました。

これまで、仕事柄、発信媒体は金融やビジネス誌ばかりでしたので、今回はかなり異なった場での発信となりました。

元々、一個人として住み続けたいと思える社会作りに携わることを希望してサステナブル投資に関連した仕事に携わってきたため、こうした形で広く紹介出来ることを嬉しく思っています。

サステナブル投資がどの様に個人の生活と関わっているかを考え、周りの人と話してみるきっかけとなれば嬉しいです。

(下記リンクは最新号を表示すると思うので、時間が経ったら2021年4月号で検索ください。)

https://sp.elle.co.jp/magazine/elle/

我らの血となり肉となる…食するもの、投資するもの

先日、「栄養不良」の課題と投資家行動に関する記事の日本語での発信に関わらせて頂きました。

20億人以上栄養過多、
20億人以上が栄養不足、
というの世界の「栄養不良」の両側面。

子供や自分の健康を害し、
結果的に労働生産性の低下、
子供時代での教育を吸収する質も下がる悪循環。

この影響は、コロナ禍においてより如実に見えてきたのではないかと思います。

「栄養不良」の状態にある人が減るために、
栄養内容が正しく表示され、
栄養バランスの良い商品が出回ることを後押しする
投資家イニシアチブ。

皆さんは、取り組むべき課題と思いますか?

詳しくは↓を見つつ、是非周りの人ととの議論のきっかけにして下さい。

https://www.responsible-investor.com/articles/you-are-what-you-eat-you-are-what-you-invest-in-jp

対話の先にある果実

株主提案や複数の機関投資家による目的ある対話の対象と聞いて、身構える企業も多いだろう。勿論、中には打開策を見出せない様な極端な働きかけもあるだろう。しかし、一見対立関係にある様な働きかけが、企業役員の賛同を得ることや投資家サイドの評価を得る行動に繋がることもあり、気候変動関連を中心にその実例が少しずつ出てきている。

世界最大規模のエンゲージメント活動、CA100+

その一つとして、世界47兆米国ドル、500以上の機関投資家が参加しているClimate Action 100 + による対話だ。欧州(IGCCC)、米国(CERES)、オーストラリア(IGCC)、アジア(AIGCC)のそれぞれの地域での機関投資家による気候変動イニシアチブを取りまとめる各団体が事務局となり、地元投資家と国際投資家が連携して世界最大のGHG排出をもたらすとされる100以上の企業との対話を行っている。

アジア諸国の地元投資家によるESG関連の内容に関する企業への目的ある対話の歴史は浅いが、その中で台湾での大手電子機器製造会社、Hon Hai Precision (Foxconn) の対応が注目を浴びている。

一見より強気の行動事例と思われるのが、世界の子供の生活改善を主目的とした英国のThe Children Investment Fund (TCI)による株主提案だ。スペイン政府が現在51%の株を保有する航空インフラ整備会社、Aena社に対し、次ぐ大株主であるTCIは気候変動への戦略を強化することを提案し、結果的には取締役会自体が支持に回ったケースだ。

続きはこちら:
https://www.responsible-investor.com/articles/the-fruit-borne-at-the-end-of-engagement

Learning the ropes of sustainable business & finance

今や意味が分からない中でも言葉として浸透している「ESG」や「サステナビリティ」。それだけ当たり前に触れられる様になったことは喜ばしい一方、言葉が独り歩きすることや、興味があってもどこから手をつけたら良いか分からない方も多いでしょう。

無数にある環境や社会的要素の理解、日本と各国の違い、経営と投資の関わり、社会的貢献と戦略的な経営。視点も知識も多様性が求められる中、課題が山積みに思われることもあるかもしれませんが、日々増えて行くツールを上手く活用していくことで、一人では収集しきれない情報やノウハウを蓄積し、活動を深めることが出来るでしょう。

第一弾に紹介するのは、一般社団法人鎌倉サステナビリティ研究所が提供する「ESGアナリスト講座」(初級編)。

この講座の一番のメリットは、「ESG投資」や「コーポレート・ガバナンス」などが今に至るまでにどのような国内外の議論と実践を通ってきたのかをとても丁寧に解説しているところにある。

続きはこちら:
https://s.alterna.co.jp/area/area-japan/kanto/82469

Lost in translation? An inside outsider’s perspective on “ESG investing” in Japan

Having spent the last 15 months sharing global developments with the Japanese RI community, perhaps it is high time to reverse the direction of the information flow.

Thanks to the visible action of Japan’s Government Pension Investment Fund (GPIF), most people will be aware of the rising uptake of ESG investing in Japan. Within just a year of GPIF making its first ESG-considered index investments in 2017, the estimated total sustainable investment AUM for Japan grew to be the largest in the Asia Pacific region.

One could argue that these figures come largely from the high levels of stated investor-company engagement activities and “ESG integration”, and therefore may not reflect substantial changes in asset allocation – thus running the risk of not containing much substance.

Yet what gets disclosed gets attention, and what gets measured gets debated. In recognition of this, the revised Japanese Stewardship Code requests all managers to disclose the details of the voting direction and reason, as well as questioning the role of proxy advisors and investment consultants whose roles can be essential in delivering such action and transparency. Having also positioned the consideration of sustainability (including ESG factors) at the heart of principles of stewardship responsibilities, it is perhaps one of the most explicit and one-to-watch Stewardship Codes globally.

So, what’s the current status of the Japanese companies that would be the target for investment, lending and insurance underwriting both domestically and globally? Sadly, there are several statistics to show how far behind Japan is, especially when it comes to human and labour management.

Yet there is a sense of stress amongst the sustainability practitioners, teams and company management, as the EU taxonomy (and other regional variations), the TCFD recommendations, the constantly evolving world of data providers and standards, and the accelerated attention to social issues as a result of Covid-19 forms an ever-growing sustainability ‘alphabet soup’ – in an alphabet not native to the local tongue.

Visit here for the full article:
https://www.responsible-investor.com/articles/lost-in-translation-an-inside-outsider-s-perspective-on-esg-investing-in-japan

流行るESG基準作り、取り残される実社会

ESGの基準作りは現在、世界的に大流行りだ。

欧州に続いて作成されていく各国のグリーン(サステナブル)タクソノミー;IFRS自身も含め、IFRS等の国際会計基準と同列の位置づけを求め協働と融合を検討するGRIやSASB等の元祖ESG基準団体;投資や企業コンサルタントによるサステナブル・ワーキング・グループやESG指標の整備;金融安定理事会の指示に基づいて作成されたTCFDに続く、自然資本に関する財務開示フレームワーク(TNFD)やカーボン会計のPCAFに続く生物多様性会計のPBAFなど、その動きは後を絶たない。

これだけを見れば、転換期に免れない混沌はあるにしても、行政、会計、機関投資家、アドバイザー、各方面において、ESG課題を投資行動の中に考慮する方向へ速度を上げて向かっている様に見受けられる。

しかし、現実はそんなに甘くない。

2008年の世界金融危機の際には、金融システムの失敗の影響が実社会や実経済へと吹きこぼれて行った。一方、人やモノの移動がコロナ禍において未だ著しく滞り、多くの産業や日々の生活に大きな支障が続いているにも関わらず、株価は総じて通常運転である。

「責任ある投資」と「サステナブルな社会」を目指す投資関係者にとっては、この状況はどの様に映っているのか。この不安定で相反する二重構造に違和感を感じているのは、どうやら私だけではない様だ。

続きはこちら:
https://www.responsible-investor.com/articles/arisa-kishigami-11

ESGデータの行方

Invesco社の調査によると、2025年にはESG投資残高の大半はパッシブ運用されていると予測されている。

最低限の人権基準の遵守などを含み、EUタクソノミーに合わせて既に定められた気候変動関連ベンチマーク指数への規制に加え、サステナビリティに関連した指数ではジェンダーの多様性、ケガや死亡率、サプライチェーンでのデューデリジェンスなどを報告しなければならないとしている。

2008年の金融危機以降、各国に点在していたローカルなESGデータ・プロバイダーはM&Aが繰り返され、主要インデックス・プロバイダーとされるMSCI、FTSE Russell、S&P Global、信用格付け会社としてのムーディーズ、投資信託の格付を行うモーニングスターなどにその多くが集約されている。

これにより、数千社、数百ファンドに投資している様な大手機関投資家が、ESG情報を内在した投資判断や投資行動がしやすくなったと言えるだろう。他社情報の掲載や、生のデータ収集に力を入れてきたブルームバーグ社も、自らのESGレーティングを開発したことからも伺える様に、ESGレーティングへのビジネス・ニーズが加速している様に見受けられる。

しかし、この土台が揃うと同時に、大きな地殻変動が起きる前夜に思えてならない。

続きはこちら :
https://www.responsible-investor.com/articles/arisa-kishigami-10

ヒトから始まるESG

人は非常に自己中心的な生き物だ。 

と同時に、何よりも人を大切にする生き物だ。

各国の風習、行政等による違いがあれども、過度の医療崩壊が生じることによって救えるはずだった一人ひとりの「人」の命が失われない様に、地球全体の人々が社会的、経済的に大きな「我慢」を積極的に、或いは強制的にここ1-2か月行ってきた。

「明日は自分かもしれない」と思えた「医療崩壊ギリギリの中での患者」を自分事として捉えることが出来たから、これだけ多くの人が、国が、動いたのであろう。

気候の変動によるインパクトが、低所得の外国人労働者が、食する魚・肉・野菜の持続可能性が、全て同じレベルで自分事として捉えることが出来れば、どれだけの行動が取れるのだろうかと想像すると、様々な課題が突き付けられる中で逆に希望に満ちてくる。

RIでは既に、「ESG Leader」、および「RI Careers Interview」と題したシリーズで、人に焦点を当てた記事をこの1年間で多く発信してきている。今回のコラムでは、そうしたシリーズとは別に、諸刃の剣となり得る「人」の課題と可能性に焦点を当てて、直近のサステナブル投資の動向を追ってみた。

つづきはこちら:https://www.responsible-investor.com/articles/arisa-kishigami-9

・ 誰の犠牲の上での(自粛)生活?
・ 化石燃料関連会社と取締役の独立性
・ 経営トップよるサステナブルな企業文化作りへの舵取りなるか
・ 資金的覚悟に結び付いた人選
・ CEOが還元できるものとその限界

EUグリーン・タクソノミーの効果と限界に向き合って

現在、新型コロナウィルスの感染拡大の懸念により直接・間接的な影響により、生活面、経済面における不安や悩みを抱えていること、多々あると思われます。

この地球規模の課題解決が急務なため、サステナブル・ファイナンスやESG課題に関して考える余地がなくなったと考える人もいるかもしれません。

しかし、逆に今こそ、日ごろから研ぎ澄ませてこられた環境や社会課題へのレーダーを活かし、この状況下で生み出されている多くの課題に積極的に取り組まれる企業が増えていることと思います。

では、一見この状況と無縁なESG課題は後回しにするべきなのか。実際、各国の中央銀行が経済にとって最大のリスクとして近年認識が高まってきた気候変動課題でさえ、最大の国家間協議の場であるCOP26の会合を延期することを既に予定しており、関係する法規制の議論もペースが落ちることが予想される。

一方で、近年各国で経験している異常気象とその人的、環境的、資金的な打撃を忘れてはいけないだろう。急速に経済活動及び移動が一時的に制限されることによって、人為的なCO2排出量はその副作用として削減されているだろう。しかし、感染症と同様に社会・企業・経済界に対して警鐘が鳴らされてこられた気候変動課題が、今の状況が収束し、再び経済活動が活発となった時、同様な危機が生じないためにも、スピードを落としつつ対応を考え続ける必要があるかもしれない。

そう思った責任投資関係者は、少なくはなかったようだ。4月1日にRIが主催したEUのグリーン・タクソノミーが投資にもたらす影響を議論したウェビナー『EU Action Plan Series #1: The investment implications of the EU green taxonomy』には、過去最大の1300名がライブ配信に参加し、その後も500名近くが収録版を聴いている。 

時差の都合上、日本からの参加者は限られていることを考慮し、今回のコラムでは当ウェビナーでの議論を交えながら、欧州のサステナブル・ファイナンスにおける直近の動向を紹介する。

・試行錯誤の企業情報開示
・基準化する効果と限界:投資家の視点
・今と今後の危機を見据えて

続きはこちら:https://www.responsible-investor.com/articles/arisa-kishigami-8