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動物愛護ではない、人と環境のためのアニマル・ウェルフェア

第2回目となるRI コラム投稿です:

「アニマル・ウェルフェア」と聞いて、第一に連想するものは何か。

RI記事 ‘How can investors accelerate company action on farm animal welfare?’ において、今年2月に公表された第7回アニマル・ウェルフェアに関する企業のグローバル・ベンチマーク、 Business Benchmark on Farm Animal Welfare (BBFAW)の結果が公表された。

それによると、ビジネス戦略の中枢にアニマル・ウェルフェアを掲げている企業数は2012年比で3倍に増加しており、対象企業のうち43%において役員や管理職レベルでアニマル・ウェルフェアへの明確な監督責任があるなど、進歩が確認されている。

しかし、レポートの中身を更に読んで行くと、調査対象となった日本企業5社が、いずれも最も低い評価段階にあることが確認される。

果たしてこの状況は気に留めるべきものであろうか。

続きはこちら

Hiroyuki Yokota

~ Travelling off the beat’n path with a saxophone ~

On a sunny weekend stroll in the pretty streets of Marunouchi, you may hear a bouncing melody with the gentle booming beat underneath.

The sound is of Yocotasax., a saxophone player, layering his melodic saxophone onto his original track music.

His tracks are filled with stories, which attract the attention of even those who are not the usual techno/beat connoisseur.

After sampling his tracks on the street, go home and put some headsets on and let the same tracks absorb you. Whether it’s the intricate beats of the “Tornado” fastly approaching in the city nights, or the young, fresh and playful sounds of “Drops”, there is sure to be a track or two for your liking.

In addition to his solo tracks & sax, Hiroyuki Yokota also performs regularly in a number of groups, including his jazz-based lead band called “Gaudav”.

The band’s name originates from two people that he has been inspired by – Kenji Miyazawa, the renowned Japanese author who wrote books including Gauche the Cellist (“Gau”), and inventor Leonardo da Vinci (“Dav”). Perhaps fitting with their namesake, there is both a rhythmical finesse and daring boldness to their sounds.

Here you can hear both the soft smoky wail of the saxophone in classic jazz ballads, to the powerful blasts on the rhythmical hotpot of sambas, irregular meters and 4 beats in one of Hiroyuki or Hideaki Hori (pf)’s original tunes.

But what is most surprising is how his saxophone takes you across the oceans to continents and countries afar, yet Hiroyuki himself has barely stepped out of the Japanese main island.

Perhaps his saxophone has adopted memories of the passers-by during the prolonged street performances. Or maybe the musical masters simply decided to reside within him when he plays.

Either way, perhaps the world in which the saxophone travels will someday soon be heard by the world over. Until then, come enjoy his music in the streets of Tokyo, or in the cosy environment of one of his well visited venues.

For his solo performance, tracks and info go here:

For all other activities by Hiroyuki Yokota go here:

Photo by Keita Haginiwa (See his “Your Eyes Only” series here )

Hamojin

~ A Capella creatures that fly out of a musical jack-in-the-box ~

In 2016, a fresh new A Capella group called Hamojin came onto the scenes.

Whilst they are indeed an A Capella group, they are much more than that.

They are a group of four distinct and talented individuals who hold precious internal instruments that they display with such comedic performance.

Starting off with a bang in 2016 touring Hong Kong on moving stages, it is clear the group has evolved substantially since then as they launch their 2nd album, “Salad Bar”.

Each one a respected solo artist in their own rights, their personal developments along with the strengthened bond built through their tours has brought their performance to another level.

Ayumu Yahaba, ever the mood maker, covers the halls with his smooth voice. And underneath his humorous character, he is the steadfast glue that brings this group together.

KOTETSU, who is also a trombonist and seems to be able to play any instrument he can lay his hands on, evidently transfers this talent onto his vocal scat-abilities. His interactions with KAI’s “drum set” is one to watch.

Daisuke Ito, who has been bonding with the loop machine lately in his completely “solo” performances, is quick with his footwork in addition to his impressive falsetto high notes.

And Kaichiro Kitamura or KAI, who knows no limits in the sounds he can reproduce, is not only the reliable backbone beat of the group, but also a vocal jukebox the group play with for any sounds that exist in this universe.

Each having a foot into jazz, Hamojin not only harmonise well but perhaps their even greater merit is their ability to improvise and jam like an instrumental jazz quartet.

By all means do check out their CDs, but I have to confess they are not the kind of artists that fit neatly into a box, and you must also see them live. But be aware, should you feel inclined to see them perform, you are likely to get a work out from their comicality.

For those that have enjoyed their presence in Japan all nod in agreement that this group could go far.

Now, I wonder which, country next?

https://hamojin.wixsite.com/hamojin

(Photo with thanks to Miyoko Kondo)

個人から投資まで: 加速するプラスチック課題への認識と取組み

【Responsible Investor という、責任投資、サステナブル投資を専門としたメディア媒体において、日本語でのコラム発信を開始いたしました。第一号記事の全文転載を許して頂いたので、以下に記載します。】

RIサイトでの掲載はこちら:
https://www.responsible-investor.com/home/article/arisa_kishigami_column1/

David Attenborough氏が率いた英BBCのドキュメンタリーシリーズ「Blue Planet II」等によって、これまでも燻っていたプラスチックがもたらす負の影響への認識が、急速に世界へ広がった。

2018年7月に発表された、カルフォリニア大学のRoland Geyer博士のレポートによると、83億トン分と概算されるプラスチック商品の総生産量のうち、79%が埋立地、または自然界に流入しているとされている。

BBCでは、プラスチック問題に関する様々な統計記事だけでなく、一人の一歩から始められる、様々な使い捨てプラスチック(Single Use Plastic)削減のアイディアを募集し特設ページで公開している。この個々人の声は流れをつくり、政府、企業、金融機関や援助機関等、様々な所で取組が始まっている。

欧州委員会では、プラスチックによる海洋汚染を軽減すべく、Single-Use Plastics Directiveを2019年5月21日に発表した。その内容の一つとして、欧州の海岸線に最も多く発見され、代用品が存在する綿棒の軸やストロー、ポリスチレン製のコップや容器など、使い捨てプラスチック製品の禁止項目が具体的に掲げられている。「一つ一つの製品は小さいが、この使い捨てプラスチックに関する法案によって、2030年までに220億ユーロの費用がかかるとされる環境破壊を防ぐことが出来る」と、環境、海事、漁業担当の欧州委員、Karmenu Vella氏は発表に際して述べている。

金融の立場を利用した取組みも出始めてきている。
モルガン・スタンレーのInstitute for Sustainable Investing では、2030年までに最低でも5,000万トンのプラスチックごみを減らす目標を掲げた。Head of Sustainability Researchを務めるJessica Alsford氏は、最も影響を受ける業種としてプラスチックを生成する石油化学関連会社、および消費者商品の包装・梱包を行う業種を挙げ、「Morgan Stanley Plastic Waste Resolution」の一貫として、こうした企業にダイベストメントではなく、リサイクル技術の向上等に関するエンゲージメントを行っていくという。

一方、Circulate Capitalという、南アジア・東南アジアでの海洋プラスチック問題の解決に特化した運用会社では、米国の援助機関であるUSAIDと連携し、最大3,500万米国ドルの融資保証を行うことを2019年6月5日に発表した。

世界の約7割のプラスチック廃棄物の輸出先となっていた中国は、2017年末に全面的に受け入れを禁止した。先月日本で開かれたG20では、2050年までにプラスチックごみの海洋流出をゼロにする目標の合意が得られた。

日本は直接的な海洋への流出量は少ないかもしれないが、プラスチックごみの輸出国としては世界1,2位を争うレベルであり、その輸出先の多くは東南アジア諸国である。日本においても、夫々の立場で、個人、企業、投資家、政府機関としての様々な取り組みが今後紹介されることに期待したい。

<参考にしたRI英文記事>
As plastic waste shoots up the political agenda, Morgan Stanley commits to 50m tonne target: How one leading investment institution is taking on the challenge
by Vibeka Mair | May 28th, 2019

The latest responsible funds and bonds news
by Khalid Azizuddin | June 14th, 2019

たまに牛肉に代わる良い食材、教えてくれませんか?

スェーデンのGreta Thunbergさんをきっかけに世界各国の学生たちが、自分たち一人ひとりの将来に危機感を感じ、各国の政治家に訴えるようにデモ活動を実行している。

彼らの言い分としては、「大学で一生懸命学んでも、学んだことが活かせないほどに地球環境が変わってしまったら意味が無い。だから、今大人たちが行動をとってくれるようにデモ活動を行っている」そうだ。

デモ行動は、全ての人が取ろうとする解決策ではないかもしれない。でもこれだけ上も下も動いているのに、何も考えない、しない、で良いのだろうか。

一個人として出来ることはあるのか?

気候変動にちょっとでも興味を持ったことのある人は、牛肉が一番排出量が多いから避けるべきとか、ベジェタリアンの方が環境に優しいとか、聴くことはあるだろう。

確かに、牛肉は、牛が1頭育つために必要な飼料(=広大な土地での植物)を必要とし、自らガスを発し、そして最悪その飼育場所が原生林を伐採した場合は気候変動的な影響としては非常にマイナス面が多いだろう。

でも、赤肉を食べる場合だけではなく、それは牛乳、チーズと、関連した乳製品にも同じことが言えるため、「お肉」を食べているかどうかが問題ではない。

BBCが利用している調査によると、
例えば、週に1-2回程度以下のものを食べると、、

  • チーズ30グラム = 310キロ石油の燃料で車を走らせ、また8分間のシャワーを272回浴びるのと同じ水の使用量。
  • チキン75グラム、438キロ石油の燃料で車を走らせ、また8分間のシャワーを109回浴びるのと同じ水の使用量。
  • アボカド半分 = 64キロ石油の燃料で車を走らせ、8分間のシャワーを54回浴びるのと同じ水の使用量だそうです。

つまり、赤肉をやめなくとも、週に1回のチーズをアボカドに変えてみるだけでも、環境への個人的なインパクトを減らせるかもしれません。(実際、チーズ好きな私からしたら、一つの行動の選択肢です。)

↑は各食材でグローバル平均を取って計算されたものだが、本当は住んでいる国ごとに、その国での食材がどこから来て、どんな過程で作られているかによってもだいぶ変わってきます。

同じ牛肉でも、ラテン・アメリカで生産された1キロ当たりのインパクトは、その他の地域よりも総じて高い結果になっています。(ちなみにこの研究では排出量と土地使用がアジアは圧倒的に少ないが、水使用は非常に高いことが個人的には気になります。)

また、国によっては、牛肉は国産が多いけれど、ラム肉は輸入が多いとなると、輸送の環境負荷から1キロあたりの悪影響がラム肉の方が大きい、ということにもなり得ます。

ここまで読んで、他の食材との関係が気になった方は、以下のBBCの記事の中にある40食品の計算機を試してみてください。
https://www.bbc.com/news/science-environment-46459714

英国で行われたデモ関連の記事はこちら:
https://www.theguardian.com/…/youth-climate-change-protests…

W Keyboard Project

パキッと締まった、愉快な鍵盤要塞グルーヴ
~ W Keyboard Project ~

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友人宅のリビングルームでの集まりのようなアットホームな会場で、その出会いは生まれた。

デュオで演奏していたピアニストと、たまたま観客として遊びに来たもう一人のピアニスト。

せっかくなので一曲一緒に弾いてみようと、一台のアップライト・ピアノを分け合いながらの連弾ジャズ・セッション。

力強さと柔らかさ、互いの特徴を活かし、補完し合いながらどんどん引っ張りだされてくる引き出し。「これは行ける!」と、会場の皆も盛り上がった。

そう感じたのは観客だけではなかった。ピアノ同士の共演という、決して多くはないコンビネーションを探し求めていた2人は、これを機に実験的にピアノ二台のスタジオに入ってみた…

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あのほんわかとした空間での初共演はどこに行ったのだろう?

そう思わず笑ってしまいそうな、がらりと雰囲気変わって完成した W Keyboard Project。

回を重ねるごとに音・仕組み様々な鍵盤楽器が次から次へと投入され、多重の音の壁が出来上がって行く。その壁からはオルガン、フルート、スチールパン、小鳥の囀りに謎の生物(!)と、ピアノ意外の地球の音が巧みにタイミング良く出没する。

この壮大なキーボード実験を支えるのは、強力なグルーヴ力を備えたベースとドラム。聞きなれた情熱的なジャズ・スタンダードも、ピアニストの編曲力とドラムの再現力によって愉快なハワイアンとパキッときれるグルーヴ感を混ぜ合わせた新感覚の曲へと変化する。

そんな強力なバッキングと鍵盤要塞に負けず、いや、むしろ守られて、時には曲の原点を思い出させるようなスモーキーなジャズ音、時には更なるドラムとベースの雄叫びをおびき出すような熱く突き出る音を奏でるサックス。

一見するとクラブ・フュージョン音楽で座って見るのが勿体ない程の力強いビートが刻まれているが、でも同時に聴かせるメロディアスな贅沢なバランスを持ったバンドだ。

「W」=「ダブル」キーボード・プロジェクトという名前だが、この強力な5人組と、進化し続ける鍵盤の壁の創る世界が、次はどこに連れて行ってくれるのか、楽しみだ。

江本翔 x 井高寛朗 “W” Keyboard Project Featuring. 横田寛之

(Piano, Key) 江本 翔 (Organ, Key) 井高 寛朗
(Bass) 堀内 “johnhori” 正隆
(Drums) GOLTA
(Sax) 横田 寛之

Akina Sakata

ユルユルっとストイックなサックスプレイヤー

坂田明奈

Akina-chan black&white

ずっと紹介したいと思っていた、サックス奏者の坂田明奈さん。

一度でも明奈さんのサックスを聴いたことのある人は頷くだろう。

まるで、明奈さん自身がサックスになってしまったのではないかと思うほど、サックスと一体に、そして驚くほど情熱的に届ける音色。

彼女が創る曲は、込められた闇黒とも言える深い想い、キラキラと輝く希望の両面が見え隠れする。そんな素敵な旋律に加えて、丁寧に選び抜かれた言葉で綴られた曲の題名たちも、とても印象的だ。

きっと、その言葉を大切にする想いから、隠れ技のボーカルへの挑戦も生まれているのではないだろうか。彼女のジャズ・リーダーライブでは、ポロポロとその隠れ技を忍ばせているようなので、是非こちらも覗いてみたい。

まだまだ彼女のリーダー・ライブやオリジナルを生で聴く機会はそれほど多くはない。しかし、明奈さんのズルいところは、仲間のミュージシャンが創った曲やリーダー・ライブであっても、まるで我が物かのように自在にメロディと一体となり、その曲の魅力を伝えられるところだ。あれ、誰のリーダー・ライブだったかしら?と思うほどに。きっとこの魅力によって、共演者が彼女と一緒に曲作りをしたくなっちゃうのだろう。

時には魂を揺さぶる情熱、時にはキレッキレに弾むグルーヴ、時には雄大に包み込むような優しい音色で、常に200%音に込めているのが伝わってくる。その裏には、自分の音にストイックなところがあるのだろうなぁと、容易に想像ができる。

でも、本当はユルユルっとした時間を大切にする明奈さん。格好良いサックス披露の合間に聴くチャキチャキ関西弁の明るいMCは、いつも観客を和ませてくれる。これまたズルい、魅力の一つだ。初めてその音色とMCのギャップに出会い、語らうお客さんの感想を聴くと、ふふ、っと思わず心の中で微笑んでしまう。

百聞は一見に如かず。
是非一度、そのソウルフルでカラフルな演奏を、色々なバンドや会場でお試しあれ!

https://www.akinasakata.com/

https://ratelweb.wixsite.com/ratel

Atsuko Shinjo

アイルランドの大地の深みから語る声、新城温古さん。

最初に出会ったきっかけを忘れてしまうほど、いつの間にか繋がっていた温古さん。

一度占ってもらった時に、かつては騎士だったと言われたらしい。

まるで前世でも出会っていたかのように吸い寄せられた私たちだが、昔はアフリカ大陸の猫だったと信じている私と、どこですれ違っていたのだろう・・?一緒にサバンナを走ったのだろうか?

前世が騎士と聞いて妙に納得してしまう温古さんの歌声。現世(笑)は柔らかな人柄なのに、シュッと一本通った強さのある声。しかも、声だけを聴いていると、日本人としてというより、どことなくアイルランドの大地の風の音を運んでくるから不思議だ。

母親であり、臨床心理士でもある温古さん。

そのためか、自然と子供に話しかけるような優しいMCに、大人も子供もその世界に惹き込まれていく。曲の深いところに旅をさせてくれるので、この世を生きるも去るも包み隠さず見せてくれる。彼女には沢山のちびっ子ファンがいるが、それでも決して子供向けにアレンジしたライブではない。押しつけがましくないその語りと歌声は、難解なはずなテーマでも子供も受け入れてしまう不思議な魅力。以前、貴重にも私を素直だと言ってくれた温古さんだが、私はその真っ直ぐにメッセージを届ける温古さんが、むしろ大好きだ。

と、深くて暖かい音に包まれていることが多い温古さんのライブだが、たまにペロって子供みたいに舌を出しそうな明るさとグルーヴも届けられる。そんな時は、大人も子供みたいに身体を揺らせながら、上に行ったり、ぐるりと一周したり楽しんでいる。

母として、シンガーとして、人の心と向き合う人として、大好きな温古さん。

悪戯小僧と勇敢な騎士の顔が入り混じる温古さんが、次のステージではどの顔を多めに覗かせて音と物語を届けてくれるのか。また足を運べる日が楽しみだ。

バランス悪くても、直視すべき現実

エチオピア滞在中、不定期に在エチオピア日本人のために開かれる、「サロン・デ・アジス」が偶然にも開かれ、参加させて頂きました。そのゲスト・スピーカーには、Table for Two (http://www.tablefor2.org/)の小暮真久さんがいらしていました。

10億人の肥満、10億人の飢餓に苦しむ人々がいる世界の現状の中、カロリー・バランスを考えたおいしいメニューを選ぶと、その節約できたカロリー(=コスト)を、テーブルの向こう側にいる飢餓に苦しむ人に分けて、共にハッピーな食卓を囲むというコンセプトのTable for Two。日本で初めて講演を聞いてから、イギリス・エチオピアと、それぞれ社会背景が異なる場所で小暮さんとお会いしましたが、同じ話でも聞く場所によって、自分が考えること・感じることが違うことに一番驚きました。

エチオピアは、節約されたカロリーが、子供たちの給食へと変身し、このプロジェクトの恩恵に授かる対象となっていますが、実際にその国にいながら活動内容を聞くと、カロリーを節約した(=日本)との関係がアンバランスのように思えて、違和感を感じたりしました。また、エチオピアの中でも緑豊かな地域は存在し、決して日々が飢餓との戦いではないため、そのイメージばかりが発信されてしまったら、またイメージの悪循環を生みだしてしまうのでは、とも思いました。サロンに参加されていた現地のJICA職員などと、このジレンマについてしばらく議論が続きました。

「私が我慢したカロリーを、あなたに与えてあげましょう」という見方をしてしまうと、どうも不自然な気分になってしまう。但し、未だに満足に食べられない子供たちがいるのは現実で、地球全体から見て、アンバランスな関係が存在するのも現実。だから、それを無理に否定しようとするのは、むしろ私が綺麗事を言っているに過ぎないのかもしれないと、その場を去ってから思いました。

Table For Two の素晴らしいところは、皆無に等しかった日本での寄付文化を、社員の健康管理の重要性に合わせ、多くの社員食堂への導入に成功し、また、少なからずアフリカに目を向くきっかけ作りが出来たことだと思います。また、アンバランスな関係への葛藤は、恐らく私以上にTFT当事者は感じており、そのためエチオピア国内で現地カフェ(Lime Tree Cafe)と提携し、そこでTFT食を提供するという一つの画期的な解決策を試みているのも素晴らしい。だから、アンバランスな関係への葛藤は続きつつも、Table for Two の活動を、これからも応援したいと思っています。そして、いつの日にか、そのアンバランスがなくなり、本当の意味で共に対等でハッピーに食卓を囲める様、何かしらの貢献をができればと思います。

「援助」の現状に納得できず、そして本業のビジネスを通して社会に還元している企業をケニアで目の当たりにして、私は民間の力を借りる選択をしました。特別な努力をしなくても、「当たり前」な行動として、社会に関わる企業・行政・一般市民全てが、長期的に持続可能な成長が得られる活動を促せれば、と思って。しかし、援助においても、民間においても、完璧な行動なんてない。なので、今、目の前にある現状の中で出来ることを自覚しつつも、現状に納得せず、葛藤を続けつつ、ちょっとずつ歩んでいくことが、私たち一人一人のやるべきことかな、と、エチオピアから戻って、改まった気持ちです。

エチオピア訪問: 本当に意味での現場主義・人づくり

短いエチオピア滞在の中で訪問させて頂いた、白鳥さんがJICAとして取り組まれているFRGプロジェクトには、とても共感しました。ご存じない方のために簡単に説明すると、農業を専門とした国の研究者が、単なる学術的な意義だけではなく、本当に現場の農民の役に立つ研究が実施されるようにと、研究者のトレーニングと現場とのコミュニケーションのを促すプロジェクトです。

私は普段、マクロのお金の流れを決める所で、企業の環境・社会・ガバナンス面での活動を評価・応援する投資の仕組みに関わっていますが、その評価対象となる企業が活動する「現場」への本当の影響を確かめ、再びマクロの動きに反映させたいという思いから、この数カ月間のお休みをもらってました。そのため、白鳥さん方の取り組みに通じるものがありました。

ついつい、政策提言・議定書等、マクロな話や流れに関わっている知的労働者の方が偉いと、世間的に判断しがちですが、現場の生産者・多くの雇用者があってこその社会・経済であることを、世界中どこの知識層でも忘れてはいけないと、改めて思いました。そして、そういう意味では「現場」を完全に忘れた(そもそも思うインセンティブも無い場合が多い)トレーダー達に、悲しさと恐ろしさを感じます。

一般的に短期の箱ものが多い日本援助の中で、長期視点での現場に適した人づくりと国づくりに視点を置いたFRGプロジェクト。こうしたプロジェクトは非常に大事ですが、その効果が見えるのはまだまだ先になるため、関わってきた人たちが喜べる成果がいつの日にか見えることを、切に願います。